「Digi-PoC TOYAMA(デジポックとやま)」Program01の中間報告会を開催いたしました!
Digi-PoC TOYAMA Program01(実証実験)において、採択された4事業者による中間報告会が2024年11月1日(金)に富山県民会館にて開催されました。中間報告会では、取り組みの内容と進捗状況について共有されました。今回は、中間報告会の内容についてご報告いたします!
◆目次
・Digi-PoC TOYAMAについておさらい
・採択4事業者によるプロジェクト進捗状況の報告
①<「災害時における避難者の情報管理」および「災害備蓄品の管理」を実現するシステムの構築>:射水ケーブルネットワーク株式会社(テーマ:災害時における避難者の情報管理・災害備蓄品の管理)
②<LocalBankを活用した関係人口プラットフォームの形成>:株式会社Asian Bridge(テーマ:関係人口の創出・繋がりの深化)
③<「寿司といえば富山DAO」>:Web3Times合同会社(テーマ:「寿司といえば、富山」ブランディング)
④<デジタル技術を活用した就農環境提供・効率化事業 富山あぐりマッチボックス>:株式会社Matchbox Technologies(テーマ:農業の担い手確保)
・終わりに
◆Digi-PoC TOYAMAについておさらい
Digi-PoC TOYAMAとは、富山県が令和4年度より実施している、地域課題をデジタルソリューションで解決する事例を創出し、富山県におけるビジネスモデル構築につなげることを目指す施策です。
◆採択4事業者によるプロジェクト進捗状況の報告
①「災害時における避難者の情報管理」および「災害備蓄品の管理」を実現するシステムの構築
射水ケーブルネットワーク株式会社
テーマ:災害時における避難者の情報管理・災害備蓄品の管理
課題の詳細はこちら
https://digi-poc-toyama.jp/theme01/
https://digi-poc-toyama.jp/theme02/
<実証実験の概要>
避難所へのチェックインと備蓄品管理を連携させたシステムを構築し、発災時における避難所運営の効率化・現場職員の負担軽減に取り組む。
<進捗状況と今後の展開>
射水ケーブルネットワーク株式会社の発表に先立ち、2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震において実際に避難所として使用された旧中伏木小学校跡地を訪問しました。
市内の備蓄倉庫には 、30万個という多種類かつ膨大な数の備蓄品が保管されており、現状はExcelで「備蓄台帳」として管理し、人の目で確認のうえ手で更新しているため、対応負担や情報の精緻化 等に課題を抱えています。今回実際に訪問し現状を目の当たりにすることで、射水市が抱えている課題の深刻さを身をもって感じました。
進捗状況の報告では、避難所オールインワンシステムの開発が進行中であることが伝えられました。具体的には、避難者または職員のスマートフォンで避難所に設置したQRコードを読み取ることで避難者数や情報を正確に把握する避難所チェックインシステム、スマートフォンで在庫登録することでデータの一元化 及びリアルタイム化する備蓄品管理システム、避難者のデータベースと備蓄品のデータベースから最適な配分案をAIが提示する物資配分自動化システムの3つから構築されており、避難者の情報管理から物資の配分まで一気通貫で管理できる仕組みの構築を目指しています。
2025年1月から2月にかけて 、300人規模の避難訓練を計画中であり、システムの有効性と改善点を確認する予定となっています。
②LocalBankを活用した関係人口プラットフォームの形成
株式会社Asian Bridge
テーマ:関係人口の創出・繋がりの深化
課題の詳細はこちら → https://digi-poc-toyama.jp/theme03/
<実証実験の概要>
県庁内の担当課や事業ごとにバラバラになっていた関係人口をプラットフォームで一元管理・共有し、各事業を相互に連携させ、効果的に情報発信することなどにより、関係人口の深化を図る。
<進捗状況と今後の展開>
イベントの申込やアンケート機能、コミュニティ形成等を機能として備えた、地域のコミュニティ形成や情報共有を目的としたプラットフォーム「LocalBank」を構築中です。2024年12月末にはイベントの申込導線が完成予定であり、2025年1月から2月にかけて実際のイベントを通じて関係人口の測定やアンケート実証実験を予定しています。
今までバラバラになっていた関係者、コンテンツを、LocalBankを通過点とすることで関係人口の動態計測と発展およびコミュニティのつながりの強化を目指します。
③寿司といえば富山DAO
Web3Times合同会社
テーマ:「寿司といえば、富山」ブランディング
課題の詳細はこちら → https://digi-poc-toyama.jp/theme07/
<実証実験の概要>
富山の寿司をテーマに、特定の管理者がいなくてもプロジェクトを推進できる自律分散型組織(DAO)の要素を取り入れたオンラインコミュニティを立ち上げ、参加者の共創によりブランディング。
<進捗状況と今後の展開>
2024年9月12日にプレスリリースを掲出しDAOの初期メンバーを募集したところ、100名の募集に対し135名の応募があり、10月10日にDAOを開設し順調なスタートを切りました。活動内容としてはメンバーが自発的に富山の寿司に関する情報共有、オリジナルの寿司やマップ作成やスタンプコンペ等の企画が進行中であり、リアルの交流会も41名が参加予定とコミュニティが活発に活動しています。
今後は、1年目に200人のコアメンバーを醸成し、そこから2年目に2,000人、3年目に5,000人とコミュニティ拡大に向けたメンバー増加を図ります。またDAOにスポンサーを獲得し、企画として共同で商品開発する等の取り組みを目指し活動していきます。
④デジタル技術を活用した就農環境提供・効率化事業 富山あぐりマッチボックス
株式会社Matchbox Technologies
テーマ:農業の担い手確保
課題の詳細はこちら → https://digi-poc-toyama.jp/theme06/
<実証実験の概要>
数時間単位から「就農」できるマッチングサイトを構築し、柔軟に働ける環境を創ることで、就業機会を最大化し、長期雇用の足掛かりとする。
<進捗状況と今後の展開>
2024年10月に農業事業者向けの説明会を富山県4つの地域(富山・新川・高岡・砺波)で実施し、70を超える事業者が参加するなど、農業事業者の関心度の高さがうかがえました。そして11月1日に「富山あぐりマッチボックス」をオープンし、農業閑散期に入り始める時期であるにもかかわらず、オープン前から合わせて計21件のマッチングがあり、順調なスタートを切っています。
今後は、富山県内外求職者に向けた認知活動の強化や、マッチング状況データを活用した施策の検討等を図り、富山あぐりマッチボックスの活性化から富山県の農業の活発化につなげていきます。
◆終わりに
4事業者による進捗状況の報告が行われたことにより、事業者同士でも情報の共有が行われ、非常に有意義なものとなりました。
ここから実証実験の開始、またはすでに開始している事業者はその取り組みをより本格化させ、富山県民のウェルビーイング向上を目指したプロジェクトが展開されていきます。次回以降、4事業者による実証実験についてインタビューを実施し、その内容・取り組みを掘り下げていくので、乞うご期待‼