実証実験レポート

【実証実験後の活動レポート】 富山県公認オンラインコミュニティ「寿司といえば富山DAO」 実証実験後の成果および今後の展開について 

「寿司といえば富山DAO」は、富山県とWeb3 Times合同会社が2024年10月に共同設立したオンラインコミュニティです。「寿司といえば、富山」というブランディングの輪を広げ、関係人口の創出・拡大を目指しています。地域を問わず「新しいことに挑戦したい方」や「寿司や富山が好きな方」など、どなたでも参加でき、参加者同士の共創によって富山の寿司文化とその魅力を盛り上げる活動を行っています。

2024年10月の設立以降、2026年8月時点でコミュニティのファン層は約11,000人規模(DAOコアメンバー:約350人、SNS総フォロワー:約11,000人)へと成長し、様々な取り組みを展開しています。

今回は、本コミュニティの企画・運営を担うWeb3 Times合同会社に、寿司といえば富山DAOの実証実験後の成果と今後の展望についてお話を伺いました。 

実証実験後の取り組みに関して 

――2024年の実証実験以降、どのような取り組みをされているのでしょうか?  

はい、主な取り組みは以下の3点です。 

まず一つ目は、「寿司といえば、富山 おみやげBoxの開発・販売」です。富山のお寿司の魅力を全国に発信するため、富山県内の事業者様と連携し、寿司グッズや富山湾の豊かな海の幸や風土が育んだ特産品を詰め合わせた「寿司といえば、富山 おみやげBox」の開発・販売を行いました。 

2025年5月、コミュニティ内およびSNSにて「推し商品」に関するアンケートを実施。ユーザーのリアルな声を反映し、富山県内の事業者様と連携して4つの逸品を厳選しました。 富山駅前の商業施設での販売を皮切りに、県内の宿泊施設やイベントへ順次展開。さらに2026年4月からは、別バージョンのおみやげBoxを新たに開発し、富山県のふるさと納税返礼品としてポータルサイトさとふるでの取り扱いも開始しています。 

またおみやげBoxにとどまらず、富山のお寿司関連商品の取り扱い・拡販にも着手。東京有楽町のいきいき富山館でポップアップストアを開催するなど積極的な販売支援を行い、対象商品単体での年間売上が20%増加する事業者様も出るなど、確実な経済波及効果を生み出しています。 

富山駅前商業施設やいきいき富山館での販売の様子 

2つ目は、魚津水族館とのコラボ事業です。
「寿司ネタ見るなら、魚津水族館」を合言葉に、展示と食を繋ぐ独自の体験型イベントを2回開催。予約開始直後に満席となるなど、記録的な反響を得ました。
その内の一つが2025年11月に開催された「寿司ネタライブ ~泳ぐネタから、握るネタへ~」です。 

魚津水族館の学芸員による魚の生態解説とともに、富山湾の旬を詰め込んだ握り寿司と魚津漁協特製の浜汁を提供しました。参加者の25%は県外からのご参加で、アンケートの満足度は約90%に達し、「教育・展示(水族館)×自治体(富山県)×DAO」という新たな観光モデルを確立しました。 

そして最後の一つが、「SNS情報発信&公式ゆるキャラ」の開発です。 

様々なSNSプラットフォームを活用し、県外在住者目線による富山の魅力発信に注力。X(旧Twitter)では、フォロワー数 約1万人、インプレッション数は年間1,800万回を突破し、富山県内有数の情報発信アカウントに成長しております。 

また、コミュニティメンバー主導で、富山名物ます寿しをモチーフにした公式ゆるキャラ「やまぴこちゃん」のデザインおよび命名を実施。SNSキャンペーン等を通じて、富山のお寿司への親しみやすさ向上に貢献しています。  


――新しいDAOの運営にも携わられたとお伺いしました。 

はい。株式会社スペース様(東京都日本橋人形町)が立ち上げられた「人形町甘*酒DAO」において、Web3Times合同会社が事務局パートナーとして運営をご支援させていただいております。 

本DAOは人形町の伝統ある「食(甘味とお酒)」の魅力を発信することを目的に2026年6月に設立され、8月時点で約80名のメンバーが参加されています。 

11月に人形町で開催予定のリアルイベントに向けて現在熱心な活動が続いており、弊社は寿司といえば富山DAOで培ったコミュニティ形成やインセンティブ設計のノウハウを全力で還元し、関係人口の創出や地域の賑わいづくりに伴走させて頂いております。 

人形町甘*酒DAO 公式note:  https://note.com/ningyocho_dao  

――今後の展開(重点取組事項)は何がありますでしょうか? 

はい、寿司といえば富山DAOが寿司を中心に富山の関連産業も巻き込み、富山の関係人口が集まる大きなコミュニティになることを目指します。また具体的には以下の3点を重点的に進めてまいります。 

1つは、「物販事業・ふるさと納税返礼品の拡充」で、首都圏でのお寿司関連商品の販売強化や、おみやげBoxを活用したふるさと納税返礼品のバリエーション拡大を図ります。 

2つめは、「移住・関係人口創出政策との連携」です。東京・有楽町での富山県主催の移住イベントへ参加し、DAOの活動を紹介するなど、富山県への移住を検討・希望する方々の受け皿(プラットフォーム)となることを目指したいと考えております

最後が、「公式ゆるキャラ やまぴこちゃんの更なる展開」です。グッズ販売やイベント出展、県内企業とのコラボレーション企画を推進し、富山の寿司文化をより身近に感じていただく機会を創出していきたいと考えております。 

寿司といえば富山DAOは、現在参加者を募集しています。「富山やお寿司が好き」「新しい取り組みに関わってみたい」という方はどなたでも大歓迎です。皆さまのご参加を心よりお待ちしております。 

〇富山県様からのコメント

<富山県地方創生局デジタル化推進室デジタル戦略課 担当者> 

今回の「寿司といえば富山DAO」は、Digi-PoC TOYAMAで実施した実証実験が、実証期間終了後も自走しながら発展を続けている好事例の一つです。 

実証実験では、DAOという新しいコミュニティ運営の仕組みを活用し、「寿司といえば、富山」のブランディングと関係人口創出の可能性を検証しました。その結果、コミュニティ参加者の拡大やSNSを通じた情報発信、さらには参加者同士の共創による企画創出など、当初想定していた以上に多様な成果が生まれました。実証時の検証では、富山への愛着形成や情報発信行動につながる効果も確認されており、デジタル技術を活用した新しい地域コミュニティの可能性を示しています。 

さらに、実証実験終了後も、おみやげBoxの開発・販売や魚津水族館とのコラボイベントなど、具体的な事業へ発展していることは、デジポックが目指す「実証で終わらせず、社会実装やビジネスモデル化につなげる」という観点からも大変意義深い成果だと考えています。 

富山県としても、今後こうした取組が県内外に広がり、新たな関係人口の創出や地域活性化につながることを期待しています。 

<富山県知事政策局企画室ブランディング推進課 担当者> 

「寿司といえば、富山DAO」は、県が推進する「寿司といえば、富山」のブランド戦略に共感いただいた皆さまと共にブランドを育てていく、新しい挑戦としてスタートしました。実証実験開始から約2年が経過した現在、全国各地から多くの方々に参加いただき、オンライン・オフラインを問わず様々な活動が展開されていることを大変嬉しく思っています。 

特に、おみやげBoxの開発や魚津水族館とのコラボレーション、SNSでの情報発信などは、行政だけでは生み出しにくい、参加者や事業者の皆さまのアイデアと行動力によって実現した取組です。富山県の寿司の魅力を「発信される側」ではなく、「一緒に発信し育てる側」として多くの方に関わっていただけたことは、本コミュニティの大きな価値だと考えています。 

今後も、県内事業者や地域だけでなく、コミュニティの皆様とも連携し、寿司をきっかけに関係人口を創出し、富山に関心を持つ方々とのつながりを深めながら、「寿司といえば、富山」の認知向上と富山の魅力発信に取り組んでまいります。